プログラム

 1 サパテアード                             サインス・デ・ラ・マーサ
 2 スケルティーノ・メヒカーナ                     マヌエル・マリア・ポンセ
 3 セビリア幻想曲                           ホアキン・トゥリーナ
 4 王宮の冬の音楽 第2ソナタ                    ハンス・ウェルナー・ヘンツェ
    〜シェークスピアの登場人物による
     サー・アンドルー・エーギチーク/ボトムの夢/狂気のマクベス夫人
 5 サパテアード                             レオ・ブローウェル

            < 休 憩 >

 6 子供の情景 作品15                        ロベルト・シューマン
    遠い国々と見知らぬ人々/不思議なお話/鬼ごっこ/おねだり
    大満足/重大事件/トロイメライ/炉端で/木馬の騎士
    むきになって/びっくり/こどもは眠る/詩人のお話
    
 7 組曲「くるみ割り人形」からの5曲              ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
     序曲/おもちゃの兵隊のマーチ/金平糖の踊り(石村編曲)/足笛の踊り/花のワルツ

 8 きらきら星変奏曲 KV300a                 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト



曲目解説                                                高橋 望

 当夜、石村洋のリサイタルの前半で演奏されるのは、いずれも20世紀のギターの名手による、ないしその触発
を受けた現代の作曲家によるギターのための作品である。これらのギタリスト、作曲家たちとその作品によって
、今日、ギター音楽は飛躍的発展を遂げた。

サパテアード
 軽妙でスペインの薫り高い幕開けの1曲。<サパテアード>は靴音の踊りを意味する。即ち床を踏み鳴らし
踊るフラメンコの雰囲気に、中間部には明るく魅力的な歌が挟まれる。デ・ラ・マーサハ、マドリッド王立音楽院
の明教授として知られるが、演奏家としてはロドリーゴの名作<アランフェス協奏曲>の誕生に深くかかわり、
作曲でもこのような民族的スタイルの作品を残した

スケルティーノ・メヒカーナ
セビリア幻想曲
 デ・ラ・マーサと同時代のギターの巨匠アンドレス・セゴヴィアはさらに広範に世界を駆け巡り、精力的な演奏
活動の傍ら、さまざまな作曲家に新しいレパートリーを依頼した。ポンセもその呼びかけに応えた1人で、ギター
のための、掛け替えのなく美しく量的にも膨大な音楽を提供した。スケルティーノ・メヒカーナは、ピアノのための
小品であるが、今日ギターによる演奏で知られている。
 トウィーナのセゴビアの協力者として、1923年に最初のギター曲<セビリア幻想曲>を作曲。淡彩な陰影を
帯びたその作風は、、スペインの民族的な情熱を近代フランス音楽のスタイルで表現したものである。代表的な
フラメンコ舞踊のひとつ<セビリャーナス>のリズム形式によっているわけではないものの、冒頭、そして終わり
近く、長いクレッシェンドの果てに再現されるラスゲアード(掻き鳴らし)にはその雰囲気が色濃く反映されている。

◆王宮の冬の音楽 第2ソナタ
 デ・ラ・マーサ、セゴヴィアによって、スペインの民族楽器から現代のコンサート楽器へと高められたギターは、
やがて現代の音楽の大家と呼ばれる人たちの手のになる一層複雑な・大規模なギター作品をレパートリーに
持つことになる。中でもヘンツェの<王宮の冬の音楽>〜<第1ソナタ><第2ソナタ>はシェイクスピア劇の
登場人物になぞらえた合計9つの楽章からなる長大な作品である。<第2番>は全3楽章、約20分と
<第1ソナタ>より小規模で、前作を補完するような形で1980年に作曲された。3人の人物のキャラクターを借り、
無調的な部分では現代が持つ不安や憂鬱を、調性を残した部分はイギリスないしヨーロッパの伝統への回帰
を、それぞれの繊細さと劇的な効果を織り交ぜて表している。

◆サパテアード
 ギターの名手による作曲と、現代音楽におけるギター曲……その両者を橋渡しする存在と言えるのがレオ・
ブローウェルで、かつてはギターの名手として活躍。現在は、作曲、指揮、プロデュースに専念する。「現代の
古典」とみなされるいくたの代表作を石村洋の演奏で聴くのはまたいずれの機会とし、ここではヘンツェの重厚な
作品の後にさりげなく置かれた小品。幕開け、デ・ラ・マーサのスペイン風とはまた違った、ユーモラスなキューバ
風<サパテアード>を味わうこととしよう。

 20世紀に入り著しい発展を遂げたギターは、しかしピアノや管弦楽に誰知らぬ者のない名曲を生み出した
「歴史上の大作曲家」の作品をレパートリーに持っていない(唯一の例外は)。

                    < 休 憩 >

◆子供の情景
 詩的な描写に

◆組曲「くるみ割り人形」

◆きらきら星変奏曲

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