ドからラまでの音階を使ったメロディー

ギターを弾く人の上達を阻むものは、何といっても、楽譜を読む力が、中々身についていかない
ことです。この問題は、初心の頃から、中級・上級に上がっても、いつまでも、付いてくる問題
です。上達したいと願う多くの練習者の人は、「問題は、指が動かないことにある」と思っています
が、それは、全く当て外れなことです。どんな場合も、ギターを弾く人は読譜力が弱いのです。
その問題とともに、上級者にとっては、「ギターを読む」力を付けること。それさえ出来ればギター
は自由自在に弾けるものだと思います。しかし、世界中のどんなに神に近いようなギタリストに
とってもギターと言うものが、自由にならないのは、楽譜とギターが自在に読めないからです。

ギターを速いテンポで弾くとは、「ギターを速いテンポで読む」と言うことと完全に一致することです。
たとえば「人差し指を速く動かす」とは「人差し指が、どうしたら速く動くのか、指の動きそのもの
を速いテンポで読み切る」ということと同じことだと思います。例えば、ウサインボルト選手が
100メートルを9秒6で走れるのは、その速さで走る走り方が、走っている最中に分っているから
だと思います。指の動きへの理解無しに、速いスケールを練習するのは、あまり意味のない
ことです。まして、セーハの練習のために握力トレーニングするなど、百害あって一利なしです。
本当にそれだけは止めてくださいね。大変に危険なことなのですから。

兎も角、ドレミをギターで覚えて弾けるようにするのが、初心者の方には最優先
の課題だと思います。どうしても音符が覚えられない人には別の手段も必要ですが。
「ドレミをゆっくり」「ドーラのメロディー」
「高音のメロディー」等等と、この練習も同じ趣旨の
練習です。ギターを習う人にとって、ギターの押弦の位置を覚えることと、ドレミを覚えることは、中々
一致しないことのようです。まず、ギターとは別に、ドレミ(五線譜の読み方)も覚えて頂かなければな
りませんので、兎も角、生徒の方と一緒にドレミを歌う必要があります。生徒がドレミを、音程として
歌えない場合も、教師は、恥ずかしがり屋の生徒さん以上に声を張り上げて歌ってください。

市販のテキスト本にも、単旋律を読んで弾く練習が載っています。とくに久保公二さんのすぐれた
「たのしく学べるギターレッスン」ではそのために、多くのページが使われています。しかし、
どうしても、ページ数に限りがあって、その中ですべてを練習しなければならない教則本にとっては、
旋律を弾くための練習に割かれるページは、限りなく少ないのです。教師は、もっとその足りない
部分をおぎなってあげなければなりません。

 




 




 
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